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北京ダック

パリッと香ばしい皮と柔らかな身を味噌やネギと一緒に薄皮に包んで食べる北京ダック。北京料理のみならず中華の象徴ともいえるメニューだが、本来北京ダックとは脂肪を肥大させたアヒルを指す言葉。これを焼き上げると、中国で一般に烤鴨〔Kao3 Ya1〕と呼ばれる料理になる。日本では高級品として名高いが、中国では庶民の味。大皿にどっと盛られた北京ダックは、皮のみを5、6枚並べただけの北京ダックを日本で見慣れた人にとっては軽いカルチャーショックになるだろう。

北京ダックの特徴 (サイト内トラックバック)

伝統的な烤鴨はガスコンロなどを使わず、果木で起こした炎を使って窯の中で炙る。炙る際、北京ダックは窯の中で吊るすのが基本だ。吊るすことで北京ダックの過剰な脂がしたたり落ち、絶妙な味わいになる。窯の形状も重要で、使用する窯は大きく分けて2種類。ひとつは挂炉〔Gua4 Lu2〕と呼ばれる入り口の開いた窯、もうひとつは入り口が密閉された燜炉〔Men4 Lu2〕。

挂炉の場合は高温の強火で豪快に焼きあげ、燜炉の場合はとろ火で蒸し焼きにすることが多い。

ちなみに前者の挂炉焼きを代表する店が全聚徳で、後者の燜炉焼きが便宜坊だ。どちらも言わずと知れた老舗だが、1859年創業の便宜坊が北京では一番古い歴史を持つダックの元祖。それに続き1864年に全聚徳が誕生した。

当時、便宜坊のほうが味や評判は上であったといわれるものの、途中で一度倒産の憂き目に合い、のちに復活。一方、全聚徳は途絶えることなく今まで続いている。さらに現在ではこの2つの老舗のほかにも、味に定評のある人気店、親しみやすいチェーン店などが続々と登場している。


主な店 (サイト内トラックバック)

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