TOP > 北京で娯楽> 現地の病院の利用

現地の病院の利用

中国語や英語ができるならば現地の病院を利用するのも一つの選択肢だ。中国の中でも経済の発展が著しい北京では、科によっては世界的レベルの最先端の診療を受けることが可能になってきた。現地の病院でも大病院なら英語ができれば基本的に問題はなく、中には日本語を話せる留学帰りの医師がいる場合もある。中国の病院では外来のカルテは原則自己管理だ。そのため、検査結果なども原本をすべて手元に保存できるため、他の病院に行くときも便利。

医者の水準

最近、海外の大学から帰国してきた留学生が中心となって研究レベルの向上が進んでいる。制度上の整備も著しい。かなり前は大学を卒業すれば医師になれたが、いまでは医師国家試験制度も整備されすでに数年が経ち、大きな病院では大学院修了以上の医師が中心になってきた。中国の医科大学は西洋医学も中医学も5年制だが、大学卒業後に病院で1年勤務または研修をした後に医師国家試験を受験する資格が与えられる仕組み。最近では卒業したら修士の学位がもらえる7年制を卒業した医師も増えてきた。医師国家試験に合格後も、医師のキャリアからランクが決められており、卒業したばかりの「住院医師」から「主治医師」「副主任医師」「主任医師」とそれぞれ試験を受けキャリアアップしていくシステムや、医療現場から離れた医師に対して医師免許の更新制度を設けるなど、ある意味では日本よりも厳しいと言える。

日本にはない中国ならではの特色として、中国伝統医学ある「中医学」の医師免許があることだろう。これは、中国の正規の中国伝統医学専門の中医薬大学の学部5年を卒業後、病院での臨床経験を経たうえで医師国家試験を受けるもので、主に中薬、鍼灸、推拿(中国式マッサージ)などを専門とし、西洋医学と対等の医師免許になっている。

北京での比較的高度な医療を受けるために地方からやってくる患者も多い。業績が中国全国的に有名な医師も少なくないため、人気のある科では予約しないと診察してもらえない場合も多々ある。


西洋医学系と中医学系

病院は大きく分けて、西洋医学系の病院と中医学系の病院に分かれている。針や中国式マッサージ(推拿)などは中医学系の病院に充実しているほか、中医学の外科、内科、小児科、婦人科など各科が揃っている。これらは日本にはない科なので興味深い。もちろん中医学系の病院でも西洋医学の薬も処方してもらえるが、生薬などを処方してもらいたければ、中医学系の病院にいくと、各科の専門家の診察をうけることができる。

西洋医学系の病院は、現代医学を中心に、大きな病院では比較的最新の医療機器を備えているところが多い。中国人は中医学の病院と西洋医学の病院とを上手く使い分けて通っている。


病院のランクを確認する

中国の病院は法令により厳密にランク分けされている。ランクは門に金色の看板で表記されており分かりやすい。北京以外を含め、中国で病院にかかるときは是非チェックをしてほしい。

1級病院・・・主にその地区の人々の健康管理や保健サービスなど、地域に密着した医療サービスを行うのが目的の病院。難病などの場合にさらに上級の病院に紹介するための役割を担う。

2級病院・・・いくつかの地区を管轄に1級病院よりもさらに高度な医療サービスを提供する病院で、1級病院で対応のできない患者に対して、技術的指導や研究を行う。

3級病院・・・地区、省、市さらには全国を対象として広範囲な医療サービスを提供する。医療だけでなく、医学生への教育や研究機関としての役割も担う。2級病院からの患者を引き受けたり、下級病院の人材育成などの任務もある。外国人などが診察を受ける場合は、このクラスの病院なら必要な医療機器も揃っており安心だ。

なおさらに、1級、2級病院は、甲・乙・丙に、3級病院は特・甲・乙・丙にランク分けされている。


医師を確認する

病院を決めたら、外に掲示されている専門家の一覧表を確認しよう。そこには医師の卒業した大学、論文の実績、現在の役職、診察日などが詳しく書かれている。


診察の受け方

一般の外来は広く各種病気の診察にあたっている。

時間外では24時間で対応している「急診」と呼ばれる救急センターがある。こちらでは救急車などの受付のほか、発熱患者用の発熱外来を併設している場合もあり、SARSなどにも対応している。SARSの疑いのある患者は別室の隔離外来で診察を受ける。03年のSARS以降、大抵の病院には普通の窓口の他に発熱患者専用の窓口が設けられている。

病院によって若干異なるが、診察を受ける流れは一般的には以下のようになっている。

(1) まず「挂号処」へ行き、挂号費を払う。数元程度。これは受付料金のようなもので、この時に自分の行きたい科、病状などを説明する。新規の場合はカルテを受け取り、必要事項を記入する。
(2) その後、指定された科の診察室へ向かう。カルテを提示し、自分の順番がくるのを待つ。以前は大部屋で他の患者の前で診察してもらうことが多かったが、最近は環境も改善され、1人から2人用の小部屋になってきた。もちろん衣類を脱ぐような場合はカーテンもあり、小部屋が用意されている。
(3) 診察が終わったら、そのときにもらった処方箋をもって会計へ向かう。一般の外来で中国人と同じように診察してもらうと10元から20元で診察してもらえる。ただしこの場合は中国語は必須。また専門家のランクによって診察料が違う。会計を終えたあと、さらに検査を受ける場合もある。検査の票をもって会計へ行って精算を済ませてから検査を受ける。会計で支払いを済ませた後、院内の薬局へ向かい薬を受け取って終了。

日本で加入した保険などの適用を受けたい場合は、検査などで使った領収書を残しておき、先に支払った上で必要事項の記入を担当の医師にお願いするとよい。

気になる検査だが、北京では基本的に使い捨ての注射器などを使っているため、まず安心だ。なお、鍼灸の針では現地の公的保険の関係上、使い捨てを使っていない病院もあるが、外国人が使い捨てを使ってほしいといえば使い捨てを使ってくれる。


西洋医学系の病院

中医学系の病院

緊急手術や医療処置が必要な時に搬送される主な病院

関連記事 (サイト内トラックバック)

よろず情報交換

本ページ掲載情報の他、北京の各種情報は上海エクスプローラー社編の「エクスプロア北京・天津便利帳」に掲載されています。

詳細&オンライン購入


エクスプロア北京TOP] [北京で娯楽TOP]

Copyright(C) since 1998 Shanghai Explorer