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北京での住居についてのクチコミ情報

住 居

外国人は外国人専用住居に住むという規則が撤廃され、現在はローカル向けの住宅にまで居住範囲が広がった。ローカルばかりか外資系ディベロッパーの投資も相次ぎ建築ラッシュが続いている。おかげで物件の質が向上し、選ぶほうも目移りするほど。

どこに住むか

外国人が多く暮らす地域は2003年の統計では朝陽区71%、東城区17%、崇文区6%、順義区と西城区が各3%。朝陽区が圧倒的多数を占めるが、同区が早くから外国人居住地として開放されていたことと経済・商業の主要部を擁することが主な理由。日本人駐在員のほとんどが朝陽区に暮らしており、同区内でも国貿から東城区にかけた地域、燕莎区、燕莎区の北西の麗都区の3地点に主に分布する。一方ヨーロッパの人々は大使館区と燕莎区、米国人はCBD(東三環路と国貿橋が交差する辺り)、麗都区、韓国人は望京区に集中する。

こうした地域における居住施設は、ホテルやオフィス、スポーツクラブ、ショッピングセンターが一体化した複合型が多く、食事や美容理容、スーパー・商店への買い物など、歩いて気軽に行けるのが大きな特色。外国人が多いことからレストランなどのサービス業の服務員の態度も比較的洗練されており、慣れない海外暮らしでもさほど不自由を感じないだろう。西部郊外に通勤する人でも朝陽区内に住む人も少なくない。その場合朝夕の交通渋滞には頭を悩ますところだが、駅近くに住み地下鉄を利用するという手がある。

他の地域では北京市のIT産業の心臓部・中関村を有する海淀区が注目される。北三環路と中関村大街が交差する四通橋周辺を中心とする地域は市北西部では最も商業・産業の開発が進む新経済圏。北は上地情報科学技術基地へ通じ、南の金融街へも車で約10分と交通の便がよい。同区は70以上もの大学・研究機関が集まる文教区でもあり、世界各国からの留学生も多い。学生には大学の寮以外に外に部屋を借りるケースも少なくない。

■海淀区

西直門西側の白石橋、中関村大街と三環路が交差する四通橋周辺、郊外では上地周辺に日本人が多い。白石橋と中関村には仏系スーパー・カルフールが、四通橋には当代商場と双安商場の大型百貨店があるので、日本の食材は期待できないが、日常の買い物には困らない。上地には地下鉄13号線が通り、始発の西直門駅から4つ目が上地駅。10分から15分に1本電車が通っており、王府井、建国門辺りまでは乗り換え時間を含め1時間前後。上地駅の一駅西直門よりにある五道口駅は北京大学、清華大学、北京語言大学に近く、留学生が多い。留学生が暮らすマンションは中国人向けの高級マンションから一般住宅、キャンパス内の住宅とさまざま。一般住宅でも外国人の比率が高くなると、海外の衛生放送の受信が可能な棟もある。

■東長安街沿い(王府井~国貿橋)

都会的な生活を楽しみたいという人に人気の高いエリア。通り沿いに地下鉄1号線が、そのすぐ南側に2号線が走っており、交通の便は至って良い。西側の王府井は「北京の銀座」と称される繁華街で、東長安街とぶつかる王府井大街には、北京飯店、東方広場(オリエンタル・プラザ)をはじめ、ホテルや大型ショッピングセンターが連なり、老舗中国料理から各国のグルメ、マックや中国式屋台といった軽食、薬局、文具店、大型書店まで揃う。建国橋から国貿橋までの一帯は、オフィス、ホテル、住居・商業・娯楽施設が混在し、不動産価格も高騰を続ける地域。地下鉄建国門駅の北側には日本大使館を含む大使館区が広がり、地下鉄向かいには、長富宮酒店(弁公楼と公寓併設)、日本の食材を豊富に扱う北京賽特購物中心がある。

■燕莎橋を中心とした燕莎エリア

燕莎橋周辺は、ケンピンスキー、ヒルトン、シェラトン、昆侖飯店など高級ホテルが軒を連ねる。日系企業が多い発展ビルや大使館区は徒歩圏内とあって北京の中で最も外国人が多い地域。燕莎友誼商城は、質の良い衣類や商品、輸入食材を扱っており、離れた地域に住む者にとっても重宝する存在。地下のスーパーでは日本の調味料やスナック、日本酒・焼酎も売られている。

■麗都エリア

燕莎地区から車で10分ほど北東の地域で日本人学校へは車で5分程。IAB國際スクールにも近く欧米人が多い。欧米人には200~400平米ほどの広大な敷地を有する別墅を好む人も多いが日本人の場合はマンションを希望する人が多く酒仙公寓は日本人の入居率100%。北側の望京区は韓国人が多く暮らす地区で、本格的な韓国料理、食材を求めやすい。


ライフスタイルを考えた住宅選び

住宅は生活の拠点となるだけに、精神的にもくつろげる空間、環境を求めたい。中国で生活する上で、まず心配なのが水質とセキュリティの問題だ。

日本人向けの高級マンションでは、集中浄化装置を備え濁り水とは無縁の体制を整えているところもある。セキュリティの問題は家族連れの場合はとくに神経を尖らせるところ。その点、24時間の警備体制を敷き、シャトルバスの送迎を実施したり、幼稚園や学習塾を併設していたりするので大きな心配はないだろう。さらに、浴室には洗い場と深めの日本式バスタブが付いているものもあれば庭付きの一戸建て住宅もある。日本人の習慣や感覚を大切にしており、あくまでも日本スタイルにこだわりたい人にはうれしい限り。

その他の外国人向けマンションの場合、設備やサービスにおいては大差ない。違いといえば、管理会社やフロントのスタッフが日本語ではなく英語を話したり、買い物や通学用のシャトルバスがなかったりするくらい。ただ、シンガポールや香港系のマンションには、浴室はシャワーのみだったり、台所が極端にせまかったりするので注意がいる。

ローカル向けマンションは、以前は、中国人向けの住宅「内銷房」と外国人向け住宅「外銷房」に区別されていたが、それも北京では2003年に解消され、現在は外国人でも入居、購入が可能となった。管理人が話す言葉は中国語のみだろうし、入居者もほとんどが中国人となる。周辺の環境は、規模が大いものならば、スーパーや美容理容室、レストランにカフェがテナントとして入っている。一方、日本の衛星放送については、外国人の入居が多い場合視聴が可能なところも少なくない。


住宅を買う・借りる

赴任者の圧倒的多数が住宅は賃貸をする。賃貸住宅は家具や家電製品付きで貸し出されるため現地で手に入らないもの以外、日本からわざわざ持ち込む必要はない。個人オーナーから賃貸する場合、交渉次第で付帯品の取替え・追加も可能だし、気に入らなければほかを当たればよい。一方WTO加盟後に規制緩和が進んだことに加え、2008年のオリンピックに向け、商業施設や高層マンションの建築ラッシュが相変わらず続いており、投資目的での不動産物件の購入も増えてきている。

■物件探し

自分で探す方法と不動産仲介会社を通す方法がある。いずれにせよ、まず、どのような物件があるのかを知るには、インターネットや専門誌を見てみるのもいい。それら情報をもとに自分で探すとなると、直接、マンションの管理事務所を訪ねることになり、手続きや条件のツメは自分でやることになり、日本との違いに戸惑うことが多いだろう。その点、日本人を対象とした不動産仲介業者を通せば日中両スタッフのチームワークにより両国のシステム、習慣の相違点をうまく調整してくれるので煩わしさが省ける。仲介手数料は必要ないところもある(請求される場合もある)。契約前ばかりか契約後のサービスも充実しており顧客のトラブルに積極的に対応しているところが多い。ローカルの不動産という手もあるが、そのサービスは推して知るべし。手数料は必ず取られるし見学は多くても3ヶ所ほど。借り手の条件を優先するよりも、自分たちが出したい物件を優先的に紹介される。

住宅を見学する際には、内装の美しさや、家具などにとらわれず、あくまで暮らす上で大きな問題が起きる危険性がないかをチェックする必要がある。特に、日本では常識と考えていた住宅の条件が満たされていないこともあるので注意しよう、

実際に住まなければ分からない問題もある。賃貸ならば、オーナーと関係が良好ならば問題はわりと簡単に解決するが、万が一交渉が決裂した場合は引っ越してもよい。契約期間は半年、1年と短期間でも可能で、まずは短期契約してみるのもよい。ただ仲介業者を通した物件の場合、オーナーと直談判で受け入れられなかったことが業者を通して交渉することであっさり解決することもあるようだ。

■住宅を購入する

外資系企業オフィスや、大型商業、娯楽等施設の需要が今後も高まるのは確か。現在、すでにバブルを懸念する声も聞こえるが、オリンピック開催の2008年までは北京では投資熱はさらに高まりそうだ。日本人にも、日本にいながら投資目的に物件を購入する人もいる。人気の物件や、同じマンションの中でも良い方角・間取りの部屋はいち早く売れてしまう。ただしマンション完成までに部屋が完売するケースはあまりないという。

不動産を購入する人の多くは台湾、香港人を含む中国人で、彼らは中国語を理解し、地元の情報をいち早く入手する。その点、日本人はどうしても言葉や地元とのつながりで不利になってしまうが、不動産仲介業者と密に連絡を取り、情報をもらうのも1つの方法。

最近はディベロッパーが内装まで行って引渡す物件も増えているが、新築物件は通常「スケルトン渡し」といって配線がむき出しになっている状態での引き渡しが多い。その場合、購入後に内装設計から内装業者の手配・監督まで行う必要がある。

購入にあたっては、中国の銀行でローンを組むこともできるが、新築物件と中古物件では銀行ローンの手続きや必要種類、利率も違う。ただし、購入金額の20%程度を現金で頭金としていれるのは同じ。

●中国における住宅購入の流れ

まずは情報収集。投資目的であれば、市政府の開発計画、地域の重要性などを考慮しつつ実際に現場を訪ね、開発が始まっている場所をチェックする。新築物件はモデルルームが公開されていたり、少なくともパンフレットが用意されているのでそれらの情報をもとに不動産の概況を把握する。

不動産業者を訪ねる。希望の物件の売買仲介を依頼、または売買物件を探してもらう。通常、そして売買の仲介を依頼する。仲介料は3%程度というところもあれば、仲介業務の範囲によって決まるところもある。

購入受付日(だいたい完成予定日の半年前といわれるが、ディベロッパーにより開きがある)に販売管理事務所を訪れ、希望する間取りや方角にあう住宅が空いていれば、売買の仮契約をむすび、手付金等を支払う。その際、身分証明書の提示が求められるが、それはパスポートだったり、日本大使館発行による証明書だったりする。

中国の銀行でローンを組む場合は必要書類をそろえて手続きをしてから物件購入を申し込む。銀行はディベロッパー指定で、受付会場に窓口を設けていることもある。

残りの支払いはディベロッパー指定の期日までに支払う。中国の場合は完成・引き渡し前に決済が行われる。すなわち、購入者が所有権取得前に決済が終了する。ディベロッパーの倒産、完成遅延の場合のリスクを購入者や銀行が背負うということとなる。

住宅の建築が完成し引き渡しとなる。ここで本契約を結ぶ。

)公証局で契約書を公証してもらいその上で「地産交易中心」に登記を申請する。その後、房屋所有証が交付されるが、交付までは8カ月から1年くらいかかるといわれる。産権証の交付をもって、正式に不動産(正確には建物使用権)を取得したことになる。

内装業者を手配し、内装にとりかかる。

●住宅購入にあたってのポイント

不動産購入の目的を明確にする。自己の居住用か、賃貸などにまわす投資が目的か。

目的に沿った物件を探す。賃貸に出すのであれば、賃貸者に人気のでそうなロケーションやサービスがあるところがよい。将来売却する場合は、地域の特性、開発などの潜在的な将来性は当然考慮すべきで、また入居者がどのような人たちなのかも、回収率の高低の大きな要素ともなる。

ディベロッパーはもちろん、予定されている管理業者についてもよく検討する。

中国の土地はすべて国家からの借地。居住用の場合70年の期限で国家に返却しなければならない。住宅購入した時点で、その住宅の借地期限がすでに何年か経過していることもある。

中国の住宅の面積表示は共有部分を含むため日本のそれとは異なる。実際の建築面積をパンフレットに記載をしているところもあるが、見学時に確認するのがベター。確認を怠ったために、開発会社、管理会社とのトラブルに発展し、房屋所有証の交付手続きに至れずにいるケースもある。

中古物件購入に際しては、その持ち主に対する細心の調査が必要。やはり大手のディベロッパーが売主になっている新築物件のほうが安心。

内装業者選定にあたっては、北京では日本語の通じる業者はほとんどない。専門の話を中国語ですることはかなり難しく、多くは不動産会社を通して、契約や細かな指示、打ち合わせを行っている。自分でやる場合でも、中国人の友人にアドバイスをもらったり、手伝ってもらうのがよい。

内装工事・施工中は足しげく現場に足を運ぶこと。ローカルが家を買った時は頻繁に現場を監視しにいっている。

●房屋所有証、ローンについて

房屋所有証に関して、外国人の場合、個人でディベロッパーと売買契約を結んだとしても、その手続きが複雑だからと、専門の委託会社を紹介されることがある。委託会社を通した場合は手数料が発生する。

ローンに関しては、まず頭金を入れ、残りは日本でローンを組んで(住宅ローンではなく通常のローンになる)支払う方法と、中国で住宅ローンを組む方法がある。中国の住宅ローンは1年~30年までのローンがあり、金利は2004年8月現在4%程度。ローンを組む際に保証人が必要になるが、友人などに頼まなくても、保証会社にも頼める。申請に必要な書類は身分証明証、所得証明と、その他、貸し手が要求する書類を提出する必要があり、やはり弁護士に相談したり、代理店に依頼することが多いようだ。

■住宅を借りる

賃貸住宅のスタイルは2種類ある。1つはディベロッパーや管理会社が一括しているマンションで、中には「ホテル式」としてハウスキーピングやランドリーサービスがついているところもある。もう1つは分譲マンションのオーナーが賃貸用として提供している。

後者の場合、オーナーごとにサービス水準にばらつきが出るが、部屋を見学している最中にでも要求してみると、家具や家電を追加してくれることもある。また、内装がそれぞれ違うため、同じマンション内で1つの部屋がダメでも、ほかの部屋をあたると案外気に入るということもある。自分でオーナーと交渉するのであれば、房屋所有証の有無を確認した上で、オーナーの身分証と一緒にコピーして保管しておくことも忘れずに。

■家賃

北京の場合、都心部から郊外へ、東から西へ向かうほど家賃は下がる傾向にある。もちろんマンションの施設や管理体制などによって、さまざまな価格設定がある。下は数千元のものから。最も多いのは1,000~5,000米ドルの間となっている。提示された金額は、値切られることを想定した価格設定で言い値で借りると損をするので値段交渉はしてみるべき。また、領収書を発行するかどうかで家賃が変化することもあるので、領収書の必要がない場合はそれも交渉の材料にしよう。

もう1つ注意したいのは、家賃の支払方法。上海や深?では1カ月分ずつ払うが、北京では季付(4カ月ずつ)、半年、1年分をまとめて請求されるのが一般的。日本人を対象とした不動産会社が仲介する場合、最初に保証金2、3カ月分と1カ月分の家賃を支払い、あとは1月ごと支払うなどオーナーと事前に調整がついているが、自分で部屋を探す場合は自分の交渉にかかるので交渉してみよう。

■住宅見学の際のチェックリスト(高層住宅の場合)

住宅見学の際のチェックポイントとして以下が挙げられる。あくまで一例だが、多くの項目が日本で住宅選びをする際には気にもとめない点であるため注意が必要。見学の最中に不思議に思ったことや疑問に思ったことは、その場で質問したい。また、リクエストすると意外に簡単に直してくれることもあるので、遠慮しないでどんどん提案してみたい。

1) 管理事務所があるか
2) 管理事務所で日本語・英語が通じるか
3) エレベータは足りているか(高層住宅でエレベータが少ないと朝晩にエレベータ待ちで大きなストレスが溜まることとなる)
4) エレベータは安心できる会社のものか
5) 玄関があるか、または玄関スペースをつくれるか
6) キッチンの広さは十分か
7) 流し台のシンクの広さは十分か
8) 洗濯機が備え付けでない場合、住居内に洗濯機設置場所はあるか
9) 風呂に浴槽はあるか
10) 風呂等の排水溝は床より低いか
11) シャワーの水圧は十分か
12) ガス湯沸かし器の排気は外にあるか
13) フローリングが浮き上がっていないか
14) 日本の衛星放送は受信できるか
15) 電気の容量は十分か
16) 水漏れはないか
17) 隙間風は許容できる範囲か
18) 上下左右の部屋からの騒音はどうか
19) 防犯上問題はないか(ドアチェーンなどがついているか、門衛がいるか等)
20) タクシーを拾いやすい場所かどうか


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